幼いころ住んでいた、田舎の家を訪問した。80数歳の伯母が一人で住んでいるから、あっちへ行く事あったら、顔を見せたって、といわれていたから。
途中で老人の好きそうなお饅頭を買って、子どもの運転で、乗りつけた。
だたっぴろかった庭は、日本式庭園に変えられ、栗の木はアトカタもなく、勿論柿木も姿を消していた。
豊かさを見せ付けられたわけだが、なんだか悲しかった。大戸をくぐり、母屋を通り越して、伯母の住んでいる離れにいった。
声をかけても返事はない。そろそろと玄関の戸を開けた。そこで一段と声をはりあげた。
返事がない。多分、近所へでも出かけていったのだろうとは思ったが、手土産に言葉を添えておいてでてきた。
なあ、おばさん、
鍵くらいかけてよ。いくら田舎と言っても、無防備すぎる。
と思いながら、我が家の二重の鍵を思い出していた。人が多くなった分、信用できなくなって、余計な分がふえた。
なんか悲しい。日本の現状。もっとも鍵をいくら頑丈にしていても、突然の闖入者に殺害なんてこともあるのだから、用心は大事。
けど、人を信用する心ももっていたいとおもう。
こんな人間、都会に住めないかな。ほんま、かんがえてしまうよ。